2026.10.20
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函館の山ってどんなものがとれるの?
函館といえばイカや鮃、ウニといった海の幸を思い浮かべる方が多いと思います。けれど函館は、少し車を走らせれば山と森がすぐそこにある「山のまち」でもあります。春には雪解けとともに山菜が芽吹き、秋には木の実やきのこが森を彩ります。
この記事では、函館・道南の山でとれる恵みを季節ごとにご紹介しながら、函館の菊水小路にある創作料理店・森山料理店が、それらをどんな創作料理に仕立てられるのか「例えば」のアイデアも交えてお届けします。函館観光のついでに旬を知りたい方にも、おすすめの読みものです。
GEOGRAPHY函館は海のまちであり、山のまち
函館市街のシンボル・函館山(標高約334m)は、市街地のすぐ背後にそびえる小さな山ですが、古くから人の手が入りにくかったこともあり、豊かな植生が残る山として知られています。少し北へ目を向けると、横津岳(標高約1,167m)を中心とする山々、そして七飯町・森町にまたがる大沼と駒ヶ岳(標高約1,131m)が広がります。
道南一帯はブナをはじめとする落葉広葉樹の森が多い地域とされ、落ち葉が積もった柔らかな土が山菜やきのこを育てます。海からの湿った空気と、内陸の寒暖差。この組み合わせが、函館の山の幸の味わいを深くしている——そう考えると、創作料理の素材としてもおすすめしたくなる理由が見えてきます。
※標高は概数です。
SPRING春:函館の山菜は、いちばんおすすめの季節
雪解けが進む3月ごろから、函館の山は一気に目を覚まします。山菜のほろ苦さや香りは、冬のあいだ眠っていた体を起こしてくれるような味わい。油をたっぷり使う天ぷらだけでなく、さっと茹でる・焼く・和えるといったシンプルな調理でこそ持ち味が生きるのも、山菜が創作料理と相性のよい理由です。
雪の間から最初に顔を出す春の使者。ほろ苦さと青い香りは、少量でも料理の印象をがらりと変えます。
北海道では「アイヌネギ」とも。にんにくのような力強い香りで、和え物や卵料理のアクセントに。
「山菜の王様」と呼ばれることも。もっちりとした食感とコク。焼くだけでも十分においしい、おすすめの素材です。
くるりと巻いた姿が愛らしいシダの若芽。アクが少なく、さっと茹でてサラダ感覚で楽しめます。
手間をかけて干すことで保存がきく山菜。戻したときの独特の歯ざわりは煮物に向きます。
爽やかな香りとシャキッとした歯ざわり。皮まで使い切れるので、歩留まりのよい素材です。
とろりとした粘りが魅力。アク抜きが必須の山菜で、丁寧な下ごしらえが味を決めます。
細いタケノコのような山菜。甘みがあり、焼くと香ばしさが際立ちます。北海道では「竹の子」と呼ぶことも。
すっと伸びた茎の香りと歯ざわり。だしを含ませる煮物や、きんぴら風の一皿に。
※時期は函館・道南のおおよその目安です。標高や雪解けの具合によって年ごとに前後します。
SUMMER – AUTUMN夏〜秋:森の果実と木の実
夏の森は青々とした葉に覆われ、実りの準備期間。そして秋が深まると、函館近郊の森では野生の果実や木の実が熟していきます。甘み・酸味・香ばしさ——砂糖や油に頼らずに料理へ奥行きを与えてくれるのが、森の果実と木の実の頼もしさです。
小粒で酸味が強く、色は深い紫。ソースやドレッシングに使うと、肉料理の脂をすっきりとまとめてくれるおすすめの使い方です。
「日本のキウイ」とも呼ばれる小さな果実。皮ごと食べられ、甘酸っぱさはデザートにおすすめ。
殻は固いけれど、中身は濃厚で香ばしい野生のくるみ。砕いてソースにすれば、油を足さずにコクが出ます。
ほっくりとした甘みは秋そのもの。ポタージュや焼き菓子、肉料理の付け合わせにも。
MUSHROOMS秋:函館の森のきのこ
秋の函館の山を語るうえで欠かせないのがきのこです。北海道ならではの呼び名で親しまれているものも多く、地元の方にとっては季節の楽しみのひとつ。きのこはうま味成分(グアニル酸など)を多く含み、少ない調味料でも満足感のある味をつくれる、創作料理にとっておすすめの素材です。
北海道で広く親しまれる秋のきのこ。ぬめりと歯ざわりがよく、汁物や炊き込みご飯に向きます。
カラマツ林に出るきのこ。とろりとした食感で、だしとの相性が抜群です。
鮮やかな黄色が目を引くきのこ。だしがよく出るため、スープの主役にもなります。
香りと歯ざわりが豊か。焼いて香ばしさを引き出すと、それだけで一皿になる、おすすめのきのこです。
SATOYAMA里の恵み:男爵いも・りんご・大沼牛
山のふもとの「里」にも、函館を語るうえで外せない恵みがあります。函館近郊は、日本の食卓に欠かせない男爵いもゆかりの地。明治時代、川田龍吉男爵が海外から取り寄せたじゃがいもを七飯町で栽培したことが、「男爵いも」という名前の由来として知られています。また七飯町は、西洋りんごの栽培が早くから行われた地としても語られています。
そして大沼周辺の牧場で育つ大沼牛。森山料理店のコース「〜大沼牛〜」でメインに据えている、函館でも希少な牛肉です。山の水と空気が育てた素材を、山の幸と合わせてひと皿に——函館の創作料理ならではの楽しみ方です。
ほくほくとした食感。ポタージュにすると、生クリームを控えめにしてもなめらかに仕上がります。
甘みと酸味のバランス。料理に使えば、砂糖の代わりに自然な甘さを添えてくれます。函館土産にもおすすめ。
森山料理店のコース「〜大沼牛〜」(¥13,000・税込)でステーキとしてお出ししている、希少価値の高い牛肉です。
CALENDAR函館の山の幸 旬カレンダー
ここまでご紹介した函館の山の幸を、一枚のカレンダーにまとめました。おすすめの時期がひと目でわかります。函館で創作料理を楽しむ日の、季節選びの参考にどうぞ。
| 素材 | 分類 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ふきのとう | 山菜 | ||||||||||||
| 行者ニンニク | 山菜 | ||||||||||||
| タラの芽 | 山菜 | ||||||||||||
| コゴミ | 山菜 | ||||||||||||
| ゼンマイ | 山菜 | ||||||||||||
| ウド | 山菜 | ||||||||||||
| ワラビ | 山菜 | ||||||||||||
| 根曲がり竹 | 山菜 | ||||||||||||
| ふき | 山菜 | ||||||||||||
| タモギタケ | きのこ | ||||||||||||
| 男爵いも | 里 | ||||||||||||
| 山ぶどう | 木の実 | ||||||||||||
| コクワ | 木の実 | ||||||||||||
| オニグルミ | 木の実 | ||||||||||||
| 栗 | 木の実 | ||||||||||||
| ボリボリ | きのこ | ||||||||||||
| ラクヨウ | きのこ | ||||||||||||
| マイタケ | きのこ | ||||||||||||
| りんご | 里 | ||||||||||||
※函館・道南でのおおよその目安。気候や場所、その年の天候で前後します。
春は山菜、秋は木の実・きのこ・里の実りが重なり、函館の山がいちばんにぎやかになる季節です。冬は雪に覆われるため、干したり塩漬けにしたりした保存食で山の恵みをつなぎます。函館で山の幸を目当てに創作料理を楽しむなら、春と秋がとくにおすすめです。
- 誤食に注意。山菜には見た目のよく似た毒草(例:行者ニンニクとイヌサフランやスズラン、など)があり、毎年のように食中毒が報告されています。
- きのこは自己判断しない。食用と毒きのこの見分けは専門家でも難しいもの。少しでも迷ったら食べず、保健所など専門家の同定を受けてください。
- 土地のルールを守る。山林や河川敷には所有者や管理者がいます。立ち入り・採取の許可、国立公園などの規制を確認しましょう。
- クマへの備えを。道南はヒグマの生息域です。単独行動を避け、出没情報を事前に確認してください。
CREATIVE CUISINE森山料理店の創作料理なら、例えば
森山料理店は「日本の食文化をベースにした多国籍な料理」をテーマに、函館の食材の持ち味を引き出す創作料理店です。過度な添加物・油・砂糖に頼らず、シンプルで手のこんだ調理を大切にしています。山の幸はまさに、そんな創作料理と相性のよい素材。ここでは、実際のコースでお出ししている料理と、山の幸を使ったアイデアをご紹介します。
コースでお出ししている料理(一例)
コースの一皿目。じゃがいものやさしい甘みとなめらかさで、食事のはじまりを穏やかに整えます。
春菊のほろ苦さと香りを生かしたサラダ。青い香りが、続く料理への期待を高めます。
香ばしく焼いたそら豆に、ナッツのコクを合わせた一皿。木の実のソースは油に頼らずコクを出す工夫です。
山の幸を使った創作料理のアイデア
男爵いものポタージュに、ほろ苦いふきのとうをほんの少し。春だけの香りの一杯に。
力強い香りを卵がまろやかに包む、春の小さな前菜。
きのこのうま味を昆布だしと重ねて。油を使わなくても満足感のあるスープに。
鹿肉や大沼牛に、酸味のきいた山ぶどうのソース。脂をすっきりとまとめます。
七飯のりんごとコクワの甘酸っぱさで、砂糖は控えめに。
※「アイデア例」は山の幸の楽しみ方のご提案で、常設メニューではありません。コース内容は季節・仕入れによって変わります。ヴィーガンメニューのご相談も承ります(お問い合わせフォームより)。
函館の山の幸は、量がたくさんとれるものばかりではありません。だからこそ、その時期その日の素材の状態を見て、重ねすぎずに組み合わせる——森山料理店が大切にしている考え方です。函館で旬の創作料理を味わいたい方に、季節ごとに足を運んでいただくのもおすすめです。
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